会社が倒産の危機に瀕した場合、経営者としては何としてでも会社の経営を保とうと奔走するはずです。
しかし「会社のために!」と行動を起こすこと自体が悪手になる場合があります。
特に、お金周りに関係する行動は慎重に執り行わなければいけません。
では、会社の危機に瀕しても“やってはいけない”行動とはどのようなものでしょうか。
「融通手形」とは、物品の取引を行わずに振り出される手形のことです。
通常の手形は商品代金の支払いとして行われるものですが、融通手形では商品の受け渡しを必要としません。
つまり“架空の取引によってお金だけ移動させる”手形なのです。
融通手形に手を出すような企業関係は長続きせず、倒産までジワジワと会社の首を絞めるだけの時間を過ごすだけの悪手として認識されています。
「商工ローン」は、銀行借り入れでいうビジネスローンのような存在です。
つまり開業資金や新規事業立ち上げ、会社存続のために利用できます。
銀行の提供するビジネスローンと対比して、一般の消費者金融が提供するビジネスローンに商工ローンという名前が付けられました。
現在は法整備がなされているものの、以前の商工ローンは“闇金”に近い扱いがされており、未だに一部悪徳企業の被害に遭っている会社が見受けられます。
倒産の危機に陥る以前は、会社のお金に余裕があるために経営者の所持金と会社のお金を混同して管理してしまう人がいます。
特に“会社のクレジットカードで支払って後から自分のお金で補填する”というやり方は危険です。
会社のお金なのか個人のお金なのか管理しきれなくなった時点で倒産を加速させる要因になります。やるならば、自分のお金で立て替える方向性に変えましょう。
最もやるべきでない施策は“税金の滞納”です。法人税や住民税など、法人として活動する上で収めるべき税金がたくさんあります。
滞納を行えばまず督促状が届き、最終的に設備の差し押さえが避けられません。
税金は最終的には払う必要がある上に、ずるずると先延ばしにした分だけ延滞税が加算されていきます。
税金が払えなくなった時点ですでに会社として成立してませんので、出処進退を真剣に考えましょう。
倒産の危機に瀕しているからといって、なりふり構わずにお金を生み出すような行動を取るべきではありません。
窮地だからこそ冷静になり、会社を守れるように安全な資金繰りをすべきです。
また、経営者が守るべきは会社だけとは限りません。会社を畳むことになっても、これまで会社を支えてくれていた社員達が次の一歩を踏み出せるような明るい選択が望まれているのではないでしょうか。