経済状況が全体として低調な中で、多くの企業は厳しい経営を強いられています。
もちろん、その中には倒産に追い込まれる企業も多数あります。
倒産に追い込まれる、あるいは倒産に瀕した企業には、そうでない企業では起こり難いことが起こるようになります。
その内の1つが、今回取り上げる銀行からの視察です。
日本の企業の多くは銀行からの融資によって資金調達を行っています。
銀行の側から言えば、多くの民間企業に融資(貸出し)を行っているということになります。
当然ながら、融資を行っているということは、それを回収しなければ銀行側としては、金利という形の利益を得られないということを意味します。
そのため、銀行としては融資先の企業の事業内容や資産内容に常に目を光らせることになります。
これは、融資先の企業の経営状態が良くても悪くても基本的には同じです。
では、銀行が融資したお金を回収できなくなるケースとは具体的に何かと言えば、それは企業が倒産するケースです。
倒産するということは、手元の資金が底を尽きるということですから、当然返済を行うことはできなくなります。
銀行としては、こうした事態を未然に察知するために融資先企業の事業内容や資産内容を常にチェックしておくのです。
また、倒産が濃厚な企業に対しては、決算書などの情報を実際に確かめるために視察が行われることがあります。
銀行による現場(各事業所)の視察は必ずしも倒産の可能性が高い企業に対して行われるわけではありません。
順調に経営が行われている企業に対しても、銀行からの視察員が訪れることがあります。
しかし倒産が濃厚な企業の場合、この視察の意味が少し違ってきます。
銀行が倒産の危険性が高いと判断した企業を視察する際には、主に以下のようなことをチェックするのが目的になっています。
企業が倒産するか否かという状況では、経営者に十分な力量があるかどうかがとても重要な要素になります。
チェックポイントとしては、
「どんぶり勘定でないか」
「社員から信頼されているか」
「周りに優秀なサポート役がいるか」
「責任感があるか」といったことが挙げられます。
企業の実働部隊である従業員は、ある意味で経営者よりも重要な立場にあるとも言えます。
従業員に関してチェックされるのは、
「退職者が多くないか」
「モチベーションが低下していないか」
「十分な経験・技術を持っているか」
「社内の雰囲気は明るいか」
などのポイントです。
銀行の視察員は、企業の設備や備品に対しても目を光らせています。
具体的には、
「書類の記載通りのものが存在するか」
「整備が行き届いているか」
「不相応に高価なものが無いか」
「使っていない設備・備品が無いか」といったことが確認されます。
その他にも以下のようなチェックポイントがあります。