企業の「倒産」と言うと、どうしても自社のことに目が行きがちです。
確かに、自社の倒産を避けるための方策を考えるのは当然なのですが、企業の倒産は自社のことだけではありません。
経営者としては、主要な取引先の倒産についても注意を払っておかなければなりません。
そこで今回は、取引先企業の倒産を予知する方法を紹介していきたいと思います。
取引先企業の倒産を予知すると言っても、これは決して簡単なことではありません。
倒産を予知するためには、その予兆となる事象に常に目を光らせておかなければならないのです。
ただこれは逆に言えば、予兆をしっかりと注視しておけば、十分に倒産を予知することが可能だということでもあります。
以下でその予兆を紹介していきます。
経営が順調な企業というのは、概ね資金繰りに関しても円滑に進んでいます。
一方で、経営が厳しい企業というのは、大抵の場合資金繰りにも苦労しています。
そして、実際に倒産する企業の多くはこの段階を経た後に資金繰りが行えなくなって倒産に至ります。
ですので、資金繰りが悪化しているということが分かれば、それは立派な倒産の予兆になります。
取引先の会社で以下のようなことが起こっている場合には、資金繰りが悪化していると判断できます。
こうしたことが確認できた場合、その会社は十中八九資金繰りに困っていると判断できます。
経理担当者の離職も企業が倒産する際の予兆の1つです。
経理担当者というのは通常、社長や専務といった重役に次いで会社の経営状態について詳しく把握しています。
会社によっては、そうした重役よりも経営状態を詳しく把握している場合もあります。
そんな経理担当者が離職したと分かった場合、それはその会社が倒産する予兆だと判断した方が賢明です。
何故なら、会社の経営状態を詳しく知る経理担当者が離職したということは、それだけ経営が苦しくなっており、近々倒産に追い込まれる可能性が高いからです。
要するに、経理担当者だからこそ、沈みかかった船から一番早く逃げ出すことができるわけです。
もちろん、個人的な理由から離職する場合もありますが、10年~30年その会社に勤めていた経理担当者であれば、突如として個人的な理由で離職するということは考えにくいので、そうしたケースでは会社の経営が傾いていると考えた方が賢明です。
また、経理担当者が離職する原因として考えられるのは、経営が苦しくなって経営者と対立するようになったということです。会社の経営状態が苦しくなると、一部の経営者はその原因を全て経理担当者になすりつけようとします。
その結果、本人(経理担当者)としても経営者と対立するようになり、自ら退職したり、場合によっては解雇されてしまうことになるのです。
いずれの場合にせよ、その企業が倒産に近づいている1つの予兆となりますので、決して見逃してはいけないポイントです。